台風18号、明日本州上陸の可能性。
伊勢湾台風並みの勢力とのことで、くり返し流される白黒の当時の映像。
その度に、「赤い運命」→「百恵ちゃん」と、ドミノスイッチ。
名場面に思いを馳せてしまい、現実が見えなくなる。
はっ、と我に返り、慌てて周囲を見回す。
「自転車は、予め倒しておきましょう」
はいっ!
植木鉢も、横に寝かせて。
うんしょ、うんしょ。
瓦などが飛んでくるかもしれません。雨戸は閉めておく方がいいでしょう。
イエッサッ!
自分で出来ることを終え、「後はあれだけね・・・・。」と、見上げる。
立派に成長あそばした、夕顔ちゃんだ。
遙か頭上で、風に揺れている。
台風が本気を出せば、家の壁にぶつかって、無事ではいられまい。
脚立を持ち出せば、届かない訳でもない。
しかし・・・・。
新鮮さゆえだろうか。
オクラ状の毛が、全体にビッシリ生えているのだ。
山形から来る夕顔の表面は、つるりんとしているのに・・・。
小さなオクラの毛にすらびくびくしている小心者ゆえ、自分では怖くて収穫出来ないのだ。
ただいまー。
背の高い家族が帰ってきた。
お帰りもそこそこに、「はい」と軍手とハサミを差し出す。
怪訝な顔で受け取る家族。
事情を話すと納得したのか、何故かご機嫌で出て行った。
チクチク痛いんだろうな~。
怖くて見ていられず、台所の隅で待つ。
「はーっ、すごいね!」
溌剌とした声に、達成感をたたえた顔で入ってくる家族。
まるで、ハトヤホテルのCMでカツオ(?)を抱えた子供さんのようだ。
チクチクを気にするそぶりもない。
あ、有難う。
そこに、置いてくれる?
直接受け取れず、調理台を指し示す。
ぞんざいに置かれ転がり落ちそうなので、タオル2枚を使って移動させる。
はやく食べたいな。
自分のお手柄のように、誇らしげに催促する家族。
しかし、「もう少し毛が弱ってからね」と心の中で呟く。
きっと、数日もすれば脱毛して、山形から送られてくる状態になるに違いない。
けれど、そんな気配は微塵もなく、きらきら光る産毛はいつまでも健在だ。
ある日、家族のしつこいリクエストを封じるために、とうとう料理する決心をする。
両手にタオルを持ち、夕顔を挟んでまな板の上に乗せる。
左手のタオルで押さえながら、包丁を入れる。
切り口を下にして立てて、上から下に包丁を入れ、皮をそぎ落としていく。
ふーっ、もう大丈夫。
痛てててっ!!
最後の最後に気が緩んだところを、タオルに刺さっていた毛にやられてしまった。
気を取り直して、夕顔のそぼろあんかけを作り始める。
?
包丁を入れた時から感じていた違和感は、間違っていなかった。
山形からくる夕顔は、スポンジのようにフワフワしているのに、我が家で育ったものは、シャキシャキとして身が硬い。
その状態は、形が違うだけで、まるっきり冬瓜だ。
ほほー。
環境が変わると、同じ種でも育ち方がこんなにも違うのか。
それとも種に、F1のような、親と違う子が育つなどの操作がされていたのか。
とにかく、そぼろあんかけは、美味しくできたからいいけど。
そぼろあんかけは、ジャガイモや大根など、結構何にでも合う。
あんでボリュームが出て、満足感も味わえるので、便利だ。
大雑把で申し訳ないが、我が家のやり方を書かせていただく。
材料 4人分
ひき肉(鶏がおすすめ) 100g
好みのお野菜 ジャガイモなら、中4・5個
調味料 酒、みりん、醤油、片栗粉
鍋にひき肉を入れ、酒、みりん、醤油各大さじ2づつ入れ、火をつけないうちによく混ぜておく。
こうするとお肉が適度に砕けてふわふわになるので、優しいあんになる。
中火で、箸で混ぜながらお肉の色が変わるまで火を通す。
野菜を一口大に切り鍋に入れ、野菜の半分がつかる位の水かお湯を入れ、蓋をして煮る。
途中で上下を返すように混ぜ、煮汁の味見をし、好みに整える。
野菜に火が通ったら、水溶き片栗粉を入れてよく混ぜ、好みの硬さになったら、出来上がり。
普段お肉をほとんど食べないからか、我が家はお肉からのダシで皆満足するが、物足りないならだし汁で煮ればしっかり味に仕上がる。
お腹があったまるので、これからの季節、特にお勧めだ。