愚 ッ ジ ョ ブ!
人の話を聞くのが好きだ。
興味が湧くと我慢できず、あれやこれやとつい質問してしまう。
ある会議に出席した。
そこに、語り出したら、止まらない方も出席していた。
出席者全員が、そのことを承知。
話し出すと、かなり赤裸々なプライベート打ち明け話から、その場にいる人にとってすごく失礼な物言いまでが飛び出し、イライラハラハラさせられる。
そういう訳で、議題からかけ離れた内容になることも、しばしば。
聞いている方も、申し訳ないが飽きてくる。
「そろそろ本題に戻りたいんですけど」など横やりを入れたり、制止しようとする人を、「黙ってなさい!」「うるさい!」と一喝。
口調とは裏腹に、迫力はあまりないのだが。
しかし各々、大人の自制心で対立を避け、引き下がる。
延々と続く独演会は、終わる気配がが全くない。
配られたレジュメの内容が片付かないまま、どんどん時間が迫ってくる。
ということが、過去何度もあった。
そのうち、打ち合わせをした訳ではないのだが、自然にその方にきっかけを与えないよう話題を選び、サクサク議題をこなしていく傾向に。
その日、問題の方は、かなり危ないオーラをまとっていた。
ご家庭の事情から、今大変だと噂で聞いていたので、「今日は、くる!」と思った。
司会者さんが一通りの現状報告を終え、質疑応答の時間になった。
待ってましたと発言する、例のお方。
今回も、会議とは関係ない方面にまで話が逸れていく。
おや?
ふとした一言に、疑問が浮かぶ。
好奇心を刺激され、黙っていられなくなってしまった。
即座に話の腰を、空手チョップ。
「ということは、その内容に納得したんですか?」
不意を突かれ、「えっ!」と言葉に詰まる相手。
が、次の瞬間答えの洪水が押し寄せる。
ふむ、ふむと頷き、次の質問を繰り出す。
周りの空気が、「益々語らせて、どうする?!」と非難しているのが分かる。
そのうち、私達を放置したまま、粛々と進め始めた。
置いて行かれてるのは分かっていたが、聞きたいことが次々出てくる。
後で誰かに聞けばいいやと、納得するまで質問攻めにしてしまった。
たっぷり話して疲れたのか、それとも気が済んだのか、急にパワーダウンする相手。
そのまま本筋は穏やかにフィニッシュし、時間通りに閉会した。
席に残ってお茶を飲んでいると、別の出席者からポンと肩を叩かれる。
「ナイス!」と親指を立てた拳を付き出される。
「?」
何のことか分からず考え込む。
どうやら、円滑に話し合いを進めるための、作戦だったと思っているようだ。
単なる、好奇心なんですけど。
とは言えず、ジャパニーズスマイル。
日本人で、良かった。
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