生き物

くうか  くわれるか

日々、深まる秋。

その先の冬に備え、生き物たちは今必死に闘っている。

外出から帰り、鍵を開けようと玄関に立つ。

すると、「待ってました!」と蚊が群がってくる。

しかし少し離れた所からよく見ると、人が来る前から玄関ドアの周囲を飛び回っている。

ん?

更によく見ると、鍵穴を中心に輪を描いている。

鍵穴から微かに漏れ漂ってくる、二酸化炭素に、首ったけ状態のようだ。

ひぇ~!

ああやって、「出待ち」してたのかぁと、感心する。

近づくと、「今、吸っとかなきゃっ!!」という必死さで突進してくるのが、痛々しい。

一応同情はするが、もっと痛い仕返ししちゃう・・・けど。

吸血時に体内に送り込まれる蚊の唾液が、血液の凝固を防ぐとともに、それに対するアレルギー反応で、吸われた側は痒みが起きるという。

蚊に刺されると、痒いから嫌なのだ。

痒くならなければ、ちょっとの血ぐらい、あげてもいいのに、という気もする。

が、長い年月の間にそうならなかったということは、お互いにとって、それ相応の意味があるに違いないと、考え出す。

蚊は伝染病を広げることがあるし、警戒する相手として認識しておかなければならないのかも。

みんなに、「どうぞ~」と吸わせてあげた足が、赤い水玉模様になってるっていうのも、鳥肌ものだしなー。

あ、でも、アレルギー反応が起きないってことは、赤くもならないってことか。

なら、目に見えないちっちゃな穴が開くだけ?

考えてもどうしようもないことを考え出すと、止まらなくなる。

もっと建設的な考え事をすればいいのにと思いつつ、耽ってしまう。

人のパンパンッ!も、一つの種族の増えすぎを抑える、大きな仕組みの一つなのかも。

ということで、夏よりも勇猛果敢になる蚊に対抗するため、秋も蚊取り線香が大活躍だ。

窓を開ける前に点火し、侵入に備える。

菊花線香は、自然の成分ながら効果は、抜群。

煙からすごい勢いで逃げていくし、油断して家の中に入られても、隅でヘロヘロになっているので、簡単にお仕置き出来る。

周りが田んぼだからか、12月でも見かけることがある。

線香はあと一ヶ月分あるので、節約しつつ使って、今シーズンは何とか凌げそうだ。

線香の他にも、我が家には強い味方がいる。

ダニエルこと、アマガエルくんたちだ。

玄関灯近くに陣取って、飛んで火に入る夏の虫をお腹に収め続け、この頃は更にふくよかボディになっている。

暑いと物陰に隠れているが、涼しいと日中でも人目につくところで、堂々としている。

先日、バラの枝にめり込んでいるダニエルくんを見つけ、驚いた。

「ど、どうしちゃったのっ?その色!」

つるりんとした、青リンゴのような通常ボディが、白に近いグレーなのだ。

病気?!

と心配になる。

が、家の外壁にそっくりなのに気付き、「体色変化か~」と、ホッとした。

そうと分かれば、コレクションに加えようっと。

パシャ。

データには、ダニエルくんのラブリ~ショットが、たくさんたまっている。

ポーズも、色も様々で、何度見ても飽きない。

なかでも一番のお気に入りは、玄関チャイムの上で、スライム状にリラックスしている、ジャンボダニエルくんだ。

居眠り中のようで、半開きの寝ぼけ眼が、すんごくかわゆい。

これが夜には、巧妙でシビアなハンターへと豹変するのだから、たまらない。

今夜も、頑張ってね。

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ちいさきものから

成田駅前にいる、鳥の集団が、ムクドリだと知ったのは、新聞の記事でだった。

どんな姿をしているのか、よーく見ようとするのだが、夕暮れ時というのもあり、シルエットでしか見えない。

この時間帯、成田駅方面に向かって走っていると、黒っぱい鳥が、そこかしこからねぐら目指して集まってくる。

百羽単位の群れが、ビルの谷間で合体。

集合体は空を黒く埋め尽くすほどで、鳴き声と相まって脅威すら覚える。

合体がひと段落すると、まるで、生き物のようにうねり、次々と形を変えながら舞う。

そしていよいよ暗くなると、街路樹や電線に止まり、羽を休める。

ねぐらの下は、数百羽の鳴き声と、抜けた羽が、降ってくる。

信号待ちで車中から見上げ観察すると、電線での個々のテリトリーは、半径10㎝~15㎝位か。

それよりも傍に止まろうとすると、口を開けて威嚇し、追い出す。

新聞の記事には、この集団に対する、各自治体の取り組みが紹介されていた。

成田市では、ネットを張って止まれないようにしたりしているようだ。

ただ、この集団は期間限定で、気温が下がってくると、各地に散って行き、うそのように静かになる。

このムクドリ達、何年も見続けているので、もはや季節を知らせる、風物詩になっている。

巣だったヒナ達と共に、親鳥が集まって飛ぶのも、あと少し。

以降は、ヒナ鳥たちの本当の一人立ちが待っている。

がんばれよー。

と、エールを送る。

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愛は地球を巣食う

お伊勢さんのパワーのお陰だろうか。

庭でよく見かける、柿の種みたいなゴキブリにさえ、寛容になってきた今日この頃。

共に地球に生きるもの同士、お互い様だよね。

と、「害虫」とされる虫に遭遇しても、ムキにならずに通り過ぎる。

グローバリーな愛に目覚め、初秋の夜風を感じながら、これまでの自分を自嘲。

頬杖をついて、ちょっとアンニュイに決めてみる。

ふと見ると、壁に黒いチューリップ。

「ラ・セーヌの星」のお助けマンが、ふと浮かんで懐かしくなる。

しかしよく見ると、羽ばたいて着地したばかりの、羽が乱れたジャンボゴキブリ。

途端に、「みんな友達」の精神が、吹きとんだ。

ウギャーッ!!

ス、ス、スプレー取ってきてーーっ!!

こんなときのためにと、ダブルノズルの強力殺虫剤を常備してある。

ほい、きたっ!と渡され、周囲がしっとりつやつやに成る程、過剰防衛噴射。

ピクリとも動かなくなったのを確認し、放置プレイ。

安心して近づいたところで、蘇生したら怖いではないか。

さて、そろそろ数十分経ってるから大丈夫と、立ち上がる。

掃除機を出してきて、ご退場願う。

ほっ。

こういうときは、やっぱり紙パック式が有難い。

サイクロンだと、スケルトンでスプラッタになっちゃうもんね。

と、いらない想像力を働かせる。

さて、就寝時間が近づいた。

毎日書いている、英語の一言日記には、このことを題材にと決める。

ゴキブリって英語でどう書くのかな?

自分の辞書をめくるが、載っていない。

家族の辞書を借りようとしたが、不在で場所が分からない。

ネットで調べよう。

情けないことに、パソコンの機能を、百分の一%位しか使っていない私。

「辞書」としての使い方が分からない。

検索すると、ウィキペディアが一番最初に出てきた。

しかし、怖くて開けない。

だって、絶対に「画像」もついている。

暫らくパソコンの前で躊躇していたが、このままでは布団に入れないからと、ようやく決意しクリック。

恐れていた通り、先ほど出会ったばかりのチューリップが、ババァ~ンとお出迎えしてくれた。

が、「これも、ゴキブリッ?!」と驚く画像が見えると、好奇心の方が勝ち、俄然元気になってくる。

へぇー、コオロギって、ゴキブリの親戚なのかな?

しげしげと眺め、ハタと気付く。

英語、英語。

何やらいじっているうち、翻訳ソフトらしきものに、いき当たる。

ゴキブリと入力すると、パパッと英文が出てきた。

えと、「cockroach」か。

ん?どっかで聞いたことあるな。

こんなに迂闊なのは、私ぐらいだろう。

「コックローチ」はお馴染のスプレー殺虫剤の商品名だ。

知らなかったとはいえ、英語で「ゴキブリ」「ゴキブリ」と連呼してたのね、私。

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背 中 で 語 る

セミ時雨れが、始まった。

今年は、近距離なので、響くこと響くこと・・・。

超音波が、全ての空間を支配して、一瞬何も考えられなくなる。

目の前の空き地に自然に生えてきた木が年々大きくなり、立派な大木に。

春からは、毎日そこに鶯が来て、美声を聞かせてくれる。

いや~、極楽極楽。

などとうっとりしていたら、セミ君達も来てくれるようになって、そうも言っていられなくなった。

大合唱が始まると、テレビの音も聞えない程なのだ。

たまに庭の木までやってきて、「どうだっ!」とばかりに鳴き始めるチャレンジャーもいる。

うん、うん、いい音だね。

分かったから、もうそろそろ仲間の所に戻ったら?

と提案するために網戸を開けると、ピタリと止めてババッと飛んでいく。

お隣に回覧板を持っていくと、ドアの前に何かが。

よく見ると、7cmほどのカマキリの後姿。

両方のカマをすり合わせているように見えたので覗くと、お食事の最中だった。

こんなところで食べてて、大丈夫?と心配になる。

もう少しで私、踏むところだったよ。と声をかけた。

が、夢中なのか、振り向きもせずにもぐもぐしている。

夜、窓ガラスに、「ビタン!」と何かがぶつかった。

見ると、白いお腹が、密着している。

アマガエルの、ダニエルだ。

ふくよかなボディから、いい暮らしをしているのが分かる。

なんか、いいもの見つけたらしい。よかったね。

庭に生ごみを埋めに行くと、土の上にツヤツヤしたものが。

ん?

よく見ると、クワガタだ。

昼間っから、こんなところで何してるの?と、しゃがみ込む。

成程。

土から飛び出したメロンの皮に、ささっている。

美味しいだろうねぇ。なんてったって、山形のメロンだもん。

おじちゃん、ご馳走様。

人間だけじゃなく、クワガタくんにも大好評だよ。

玄関を出ると、顔にフワリと何かがかかる。

これ、誰の糸?

見まわすと、足を広げると10cmにはなりそうな、クモが巣作りの真っ最中。

おぉ!クモ吉!久しぶりだねぇ。

毎年夏になると、我が家の玄関に定住するのだが、ここ2年ほど見かけず、寂しい思いをしていたのだ。

ごめん、ごめん。

久しぶりに来てくれたのに、せっかくの土台を、顔でゴールして切っちゃった。

しかし、忙しそうな後姿は、止まることなく仕事をしている。

あ、さっきまであったジャンボ足長の死骸がなくなってる。

食べてしまったのか、新居を構えるために退かしたのか。

みんな、元気で一生懸命。

人間も見習わなきゃ、と、たれぱんだな毎日を反省した。

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次郎を見習って

エビちゃん達の水槽に、クーラーを設置した。

設定温度よりも水温が上昇すると、ブォ~ンと運転が始まる。

狭い玄関にあるため反響するのか、思ったよりも大きな音をたてる。

そのうち、ガタガタと洗濯機の脱水時のような振動も伴い始める。

驚いて、駆け付ける。

もう、故障?!

慌てて、取説を手に取る。

ポロン。

不要なパーツなのか、小さめのものがいくつか入った、ビニール袋もくっついてきた。

ん?

ふにゃふにゃと、柔らかい。

もしや・・・。

設置した家族を、呼びつける。

運転音が大きいのを不審に思い、「防振マット、ちゃんとつけたの?」と何度も確認したのに、「最初からついてるんでしょ。」と、取り合ってもらえなかったという、経緯がある。

これ、何?

顔に、凄みが宿っているのが、自分でもわかる。

渡されたものが、スポンジ状のものだと分かると、「しまった」という表情になる家族。

クーラーに直行して、うんしょと持ち上げ、脚にくっつけている。

以降振動は、ピタリと止んだ。

真夏日になった昨日。

昨年までだと、氷を放り込んだり、アイスノンを取り換えたり、バタバタしていたろう。

が、今年は余裕だ。

家族がオークションで手に入れたエビちゃん達が、我が家にいたエビちゃん達に加わり、ちょっとにぎやかになった水槽。

赤と白の縞々がいっちょまえの、赤ちゃんエビも、たくさん見える。

パラダイスの復活も近い。

ホウレンソウに群がる様子を見ていると、自然に笑が浮かぶ。

ふと水槽に、家族のしゅんとした様子が映り込んでいるのに、気づく。

エビちゃん達のように、私も家族を大事にしないといけないな。

反省。

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チュー チュー 獲れ イン

夕方、庭に水まきをしていた時のこと。

塀の隅にホースの水が、勢いよくかかった瞬間、黒い影が目にもとまらぬ速さでこちらに飛んできて、フリーズしてしまった。

マイ動体視力が辛うじてとらえたシルエットから、ネズミと思われる。

飛んできた後は、音もなく消えてしまったので、もしや近くに巣穴でもあるのかと草をかき分けたりするが、それらしきものもない。

周辺で生息しているのは、フンなどの痕跡から分かっていたが、姿を目にしてしまうと、さすがに怖い。

庭に埋めている生ごみを食べに来てるのかな?

しかし、土を掛けて踏み固めたところを掘り返した跡もなし。

散歩の途中だったのかな?

思いもかけず水を浴びてしまい、さぞ驚いただろう。

でも、こっちも負けずに驚いた。

それから数日後。

コーヒーカスを、庭にまいていた時のこと。

そう量がある訳ではないので、今度はこの辺りかなと、その都度位置をずらす。

今日はここにと、花咲かじいさんよろしく、勢いをつけて飛ばす。

あら、あんなところにロープが?

だらんと無造作にぶら下がった綱のようなものに、コーヒーカスがビシッと命中。

よーく見ると、蛇だ。

あらら、青大将君、ごめんね。

見ていると、怒った様子もなく、ゆっくりと移動していく。

そういえば、丁度そこは、先日ネズミが飛び出してきた場所だ。

やっぱり、巣があるのかな?

ネズミは、青大将君の大好物らしいから・・・。

でも、あんなにゆっくりしてる青大将君が、どうやってすばしっこいネズミ君を捕まえるのか不思議だ。

とにかく私は、外の物置の非常食を、全部ネズミに食べられてしまった遺恨もあり、断然青大将君の味方だ。

全部、食べていいからね。と、ネズミ君たちにはかわいそうだが、声を掛ける。

翌日、駐車場にいると、久しぶりに「ボス」の姿を見かけた。

このエリアを縄張りにしている野良猫を、勝手にそう呼んでいる。

堂々とした身のこなしに、貫禄たっぷりの風貌で、「ボス」と呼ぶに相応しいオス猫くんだ。

そういえば、ネズミ君に遭遇してしまったのは、我が家の庭にあった、「ボス」の通り道をふさいでからだな。

ボスの勢力が及ばなくなって、ホッとしていたが、今度は青大将君に追われているのか。

ちょっとネズミ君達が、気の毒になった。

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お誕生おめでとう

午後になって、風が吹いてきた。

ベランダの洗濯物を、取り込まなくちゃ。

ん?なんだろう?

茶色の小さなものが、Tシャツについている。

糸くずかな?

よく見ると、カマキリの赤ちゃんだ。

おぉ!卵からかえったのかぁ。

突然だが、「竿バチット」という商品を、ご存じか。

他にも、いろいろな商品名があるだろうが、物干し竿が、風などでフックからずれないように止める、強力なU字型のジャンボ洗濯バサミだ。

早春、そのお股に、カマキリの卵が産みつけられているのを見つけて、つぶさないよう、そっと元に戻しておいた。

見ると、その卵の一部分がほぐれ、ミニチュアのカマキリ達が、どんどん降りてきている。

ベランダの床まで、洗濯物を足がかりに伝って、降下中だ。

いい日に、出てきたねぇ。

心地よい風が、吹いている。

これに乗っていけば、簡単に地面に降りれるよ。

そう話しかけながら、洗濯物を一枚づつチェックする。

赤ちゃんたちが、あちこちにくっついているからだ。

あらら、こんなところにも。

Yシャツのポケットに、一匹入り込んでいた。

念を入れたはずなのに、部屋の中をちょこちょこと歩いているのもいる。

追いかけて、そっと指先に乗せて、外に出す。

大きくなれよと、見送った。

見ると次の日も、まだ赤ちゃん達が卵から出てきている。

いったい、何匹入っているんだろう?

これからは、思い切り手足を伸ばせるね。

今年も、庭のあちこちで狩りをする姿を見れそうだと、頼もしく見送った。

ふと、去年の秋、ベランダで死んでいたママカマキリの姿が、蘇ってきた。

ママの子たち、元気に生まれたよ。

新しい命を、どうもありがとう。

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失われし  新たなる

雨の湿り気が残るベランダで、青大将くんに出会ってから数日。

晴天が続いたので、もう他の場所に移動しただろうと、ベランダに干しものを広げた。

花粉症のため、洗濯ものも、布団も内干しだったが、やっと外に出せるようになった。

数カ月ぶりに、開放的な気持ちになる。

シーツに、布団カバー、パシーマなどの大物を洗濯しても、一度に干せるので、気分爽快だ。

ハタハタとはためく洗濯ものをボーッと見る。

午後、すっかり乾いたそれらを、取り込む。

うーむ。気持ちいい。

幸せだー。

一人浸っていると、ベランダの下から、カサコソと草を分ける音がする。

覗きこむと、キジのメスだった。

お散歩かな?

目で追う。

ん?

草の陰から、チラチラと見え隠れするのは、なんだろう?

キジの後をついていくように移動している。

おぉ!

ヒナだ!

2羽いるぞ!

そうか、今子育ての真っ最中なのねー。

がんばれよー!と見送る。

なにしろこの辺は、野性がいっぱいだ。

蛇にイタチに鷹に、野良猫。

天敵が、そこかしこをうろついている。

無事に大きくなって、またあの、断末魔の悲鳴のような声を聞かせてね。

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そろそろカーテンを閉めようかな。

大分暮れてきたので、窓辺に歩み寄る。

あら。

バラの木の枝に両足を踏ん張って、ダニエルことアマガエル君が、猟の真っ最中。

明るい方が、ご馳走沢山飛んで来るよね。

もう少し、開けておくね。

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咲き終わったバラの枝の剪定を始めたが、思うようにはかどらない。

テントウムシの幼虫くんたちが、いっぱいいるからだ。

開花中は木酢液などの散布はお休みしている。

なので、アブラムシがドッと押し寄せてくる。

それを狙って、テントウムシくんたちが大挙して飛んでくる。

ちょっと窓を開けておくと、家の中にまで入ってくる程だ。

成虫君たちは、飛んでいくからいいが、幼虫君たちはそうはいかない。

幼虫といっても、いろいろな段階がある。

鳥のウンチみたいな頼りない大きさから、小さな突起が規則正しく生えたもの、さなぎに近いもの。

そして、さなぎになって、動かなくなったもの。

おや、ここにも。

じゃ、もう少し、このままにしておくか。

という感じで、バラの茂みが、ちっともスッキリにならない。

こんな状況なので、アブラムシの多さにたまりかねて、木酢液や、唐がらしの焼酎漬けなどを散布すると、テントウくんたちに申し訳なくて、しょうがない。

いなくなっちゃうかな?

と心配するが、彼らには影響がないのか、いつも通りにアブラムシをハムハムしている。

産直のお野菜を作ってくれているグループさんが、春と秋に畑に招待して下さる。

行くと、東京から大型バスでやってきた団体さんと一緒になる。

お子さんたちが、いろいろな虫を見つけて、大喜びだ。

それらを見慣れた、この辺のお子さんたちとは、テンションが明らかに違う。

私も、都会っ子だったので、クローバー畑でテントウムシを見つけると、嬉しかったっけ。

手で捕まえて持ち帰ろうとするが、黄色い独特の匂いがする液を出すので、いつも途中で逃がしてしまっていた。

今は、一歩外に出ると、すぐそこにいる環境。

あの頃の感動や喜びが、すっかり薄れてしまっている。

歓声をあげ、目を輝かせているお子さんたちを見て、ちょっと寂しくなってしまった。

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ソ、ソ、ソクラテスか~プラトンか~♪ニ、二、ニーチェか、サルトルか~♪  み~んな悩んで、大きくなったぁ♪

雨が続いて、昼間というのにほの暗い部屋に、小さな光がさした気がした。

よく見ると、モンシロチョウチョ。

クレマチスにくっついてきて、いつの間にかどこかに行ってしまった青虫君に違いない。

まだフラフラと危なげな羽ばたきで、低く飛んでいる。

窓を少し開けてから、こっちにおいでー。と、追いかける。

近づいて手をそっと差し出すと、フワリと乗ってきた。

つぶさないように、もう片方の手でやんわり蓋をして、包み込む。

窓の外に手を出して開くが、タイミングがつかめないのか、なかなか飛び立とうとしない。

近くのバラの枝に掴まれるまで待って、手を離す。

やがて、霧雨の降る中、ヒラヒラと行ってしまった。

手を見る。

乾きたてのつるつるとした羽だからか、鱗粉は付いていなかった。

「科学と学習」の科学の付録が、顕微鏡だったことがある。

その時に初めて見たのが、イチモンジセセリの鱗粉だったことを、ふと思い出した。

シーモンキーの水槽も、パン生地を発酵させるキットもあったっけ。

発売日、小学校の校門を出ると、おばさんがスタンバッていて、足を止める。

自分の学年の、「科学」と「学習」の付録を見せてもらう。

わぁー。

今月は、どっちにしようかな?

わくわくと迷いながら、家に着く。

お小遣いをもらって、小学校へダッシュ。

おばさんが帰ってしまわないか、心配しながら走った。

「今月は、両方買ってもいい?」

たまにはダメもとで親に頼んでみると、思いがけず「いいよ」と許されて、有頂天になる。

あの頃は、お小遣いがもっと多ければ、悩まないで済むのにと、不満に思うこともあった。

しかし今にしてみれば、「制約」があるからこその「喜び」だったなと、親に感謝する。

いっぱい食べて、ギュッと硬くなる。

熟成を経て、力いっぱい飛び立つ。

辛抱と、開放。

成程。

生きものの成長には、欠かせないものなのかもなー。

煩悩の塊が、プチ哲学。

雨のせいかな。

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丑寅の方より まうず~

明け方、くすぐったくて目が覚めた。

足首、腕をコチョコチョされたのだ。

何事~?

何度振り払っても、少し経つとまた同じところがくすぐったい。

思い当たることが浮かんで、ガバッと起き上がる。

やっぱり、お前たちか・・・・。

正体は、蟻さんだ。

しかも、行列。

春になると、毎年必ず現れる。

どこから入ってくるのか、1,2匹が歩いてる。

放っておくと、いつの間にか行列に成長している。

布団を迂回してくれればいいのに、わざわざ山登りして、人の上を斜めに縦断していく。

やっぱり、アリの巣コロリ置こうかな~。

毎年のことながら、おやつを食べられてしまうなど、実害が出るまで平気で同居を許している。

アリさんだけではない。

人によっては、ウギャーと悲鳴を上げるかもしれない。

ダンゴ虫くん達。

そして、テントウ虫くん達も。

安普請だから、隙間が一杯なのだろう。

どこからともなく入り込んでくる。

うちに来ても、いいことないよー。と話しかけてみる。

それでも出ていかないなら、好きにしてと、ほったらかす。

するとかわいそうに、ある日やっぱり部屋の隅で、動かなくなっている。

かわいそうにといいつつ、掃除機で吸う。

虫、ダメ!

の体質だったが、富里に越してきてから、そんなこと言ってられず、免疫が出来た。

修行中ゆえ、万能とはいかず、大きな虫には未だ大騒ぎだが。

それにしても、アリの歩くルートは、どうやって決まるのだろうか。

今年は、きっちり鬼門から、裏鬼門に続いている。

ひょっとして、「寝る場所変えた方がいいよ」という、アドバイスかもしれない。

有難く、従ってみようかな。

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