受け継がれゆくもの
ある日家族が、虎の子を持ち出し、こう言った。
「車買う」
えぇ~!!
という訳で、レガシィに乗っている。
乗り換えると皆が、口々に褒めるので、驚いている。
「やっぱり、いいですねぇ。」
「さすがですよね。」
車に詳しくない女性陣も、例外ではない。
「カッコいいっ!どこの車?!」
「いい車に乗ってるわね~。」
同じスバルのフォレスターは、品があって大好きだったが、「大きい」とか「高そう」位しか言われなかったのに、とても不思議だ。
特に5代目の最新モデルは、目つきがきつくなり、ヒールっぽくなった気がするのに相変わらずモテている。
レガシィの商談も大詰め。
車体の色を決める段階のこと。
カタログのちっちゃな見本だと、なかなかイメージ出来ない。
家族と共に「う~~~ん・・・・」と決めかねてしまった。
このままでは結論が出せないと、成田スバルの微笑みの貴公子に問う。
「実物で、見れますか?」
さすが貴公子、少しも慌てず「少々お待ち下さい」とスッと席を立つ。
程なくして戻り、「こちらへ・・・」と導かれる。
「運よく、全てのお色が揃っておりますので。」
ショールームの外に出ると、駐車場へ。
そこには点検や、納車待ちの車が、ズラリ。
おぉ。
じゃ、これにします。
家族が言うと、貴公子が言葉に詰まる。
「あの…。本当にこの色でいいのですか?」
?
なんと家族が選んだ色は、レガシィの中で最も受けない色で、20台に1台の割合しか出ないらしい。
私は車の色にはこだわらないので、家族の決定に異存はないが、そんなに「特殊」な色とは思わなかったので、意外だった。
ほとんど引きとめる勢いの貴公子。
が、彼は家族の気性を知らないので、逆効果だ。
人と違ったことが大好きなへそ曲がりは、それを聞いて大喜び。
ご機嫌で、書類に判を押し、契約成立となった。
後日私一人で、必要書類を届けに、スバルへ行く。
ややこわばった微笑みを浮かべた貴公子に、「お気持ちは、変わりませんか?」と念を押されてしまった。
私達よりスバルを知る貴公子が、これだけ心配しているので、不安になってくる。
納車の日がやってきた。
契約の時不在だった別の家族が、初めて新車とご対面。
目をキラキラさせて、「いいんじゃないですか・・・?」。
気に入ったようで、良かった~と一安心。
走っていると、なんと、同じカラーのレガシィと度々すれ違うではないか。
生活パターンが重なっていて、同じ1台と何度も会うのかもしれないが、ちょっとホッとした。
この色が、一番いいね。
スバルの看板車だけあって、富里でもたくさんのレガシィが走っている。
うちの子が一番かわいい。
と、同じ心理なのだろうが、毎日気に入った車に乗れるのは、幸せなことだ。
家族を駅に迎えに行く。
自分の前にレガシィがスッと停車すると、惚れ惚れするとまで言う。
ほー、それはそれは。
近々貴公子に報告して、安心させてあげようと思っている。
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