« おーっ  マイ   ガッ | トップページ | 美味しいコーヒーを飲む方法 »

くっついたり はなれたり

NHKの番組で「無縁死」という言葉を、知った。

「孤独死」との違いは、家族や親戚がいるにもかかわらず、一人で死を迎えるということか。

番組終了後、制作側が驚いたのは、反響の大きさばかりではない。

30・40代の若い世代からの「他人ごとではない」というコメントが多数届いたということだという。

人とのかかわりが希薄になった現代、年齢に関係なく孤独感を抱く人は多い。

日頃から人づきあいが少ない人程、先のことに不安を抱くのは頷ける。

かといって、決して一昔前の濃密な人間関係に戻りたい訳でもない。

「一人大好き」派の私としても、この問題は他人ごとではない。

自分に照らし合わせて考えてみると、一人で死を迎え、誰に弔ってもらわなくてもいいような気もするが、元気で生活している間は、いい人間関係に囲まれていたいと思うからだ。

一人の自由を満喫することと、「自分は一人ぼっちじゃない」と安心して生きることは、両立できないのだろうか。

というのは、今私の最大の関心事だ。

「無縁死」をテーマにした番組のその後を追った特集では、「一人」である不自由さや苦しさを救いあげる新ビジネスが紹介されていた。

例えば「保証人サービス」。

アパートを借りる際必要な保証人が見つからない人が、3万円支払えば会社が保証してくれる。

利用した人は、「こんな言い方したくないが、金を払って済むならば。」とコメントしていた。

同感だ。

人に頼めば、借りが出来る。

例え相手にそのつもりなどなくても、こちらは相手に対する負い目を感じる。

お礼だ、なんだと依頼事が片付いた後も、自分の中でずっと尾を引く。

それに比べ、支払いを済ませ、「後はよろしく」は、スッキリしていい。

他には、電話サービスが取り上げられていた。

24時間受付で、いつでも相談事に親身に耳を傾けてくれる。

契約者からは、聴いてもらうだけでスッキリすると、好評らしい。

基本料金は10分間で1、000円。

月に20万円分利用する人もいるという。

取材を承諾してくれた利用者の男性は、「一人」ではない。

しかし、身近な人に心配をかけたくないということで、そこに電話を掛けると言っていた。

最後、先祖代々の墓にではなく、「共同墓」に申し込みをする人が急増していると報告されていた。

全国のお寺に、共同墓の建設ラッシュが起きているというので、かなりニーズが増えているのだろう。

「家族や大切な人に、心配や迷惑をかけたくない。」

というフレーズは、番組中度々出て来た。

一見相手を思いやっているようだが、身近な人にさえ自分をさらけ出したくないと、他者と距離をとりたがる気持ちが垣間見えるような気がする。

番組はこれらの現状を見せ、評論家の方の意見を聞く。

「『自立』を求めて都会に出たが、得られたのは『孤立』だった。」

「新ビジネスの誕生や、それらに頼ることは、『いい』『悪い』というような問題ではない。」

「現在の若者の諦めは、そのまま日本の未来の状態になる。」

「もっと将来に希望、光がみえるよう、仕組みを整えていかなければならない。」

というようなことを、おっしゃっていた。

日本の自殺率は、先進国でも飛びぬけて高い。

社会のシステム整備は、急務だろう。

最近よく、地元の人達が立ちあがって、自分達の地域のコミュニティを活性化させたというニュースを目にする。

気軽に集まれるフリースペースを作ったり、集合住宅の一人住まいの方を定期的に訪問するなどだ。

自分のペースで、気軽に気持ち良く他人とかかわれる仕組みがあったら、それを利用して人と繋がればいいので、近所づきあいのハードルが一気に下がるのでは。

「人付き合いは腹6分目」

「深入りしすぎないお付き合いが、お互いにいい。」

と、美輪明宏さんはよく、おっしゃっている。

これが、新しい「人とのかかわり方」なのかもしれない。

下町育ちの私は、母達がお醤油の貸し借りをしたりするのを実際に見てきた。

それがエスカレートし、人の家に勝手に上がり込み、冷蔵庫を開ける人までいた。

いくら仲が良くても「それはないでしょ」と、下町の主婦達の間でもその人は嫌がられていた。

誰にも自分のテリトリーを守りたいという本能があるはずだ。

その範囲が狭い人、広い人、様々。

「相手も自分と同じ」と思い込むから、トラブルが起きたりする。

「だからお互いに、もっと距離を置きましょう。」という風潮が生まれたのか。

現在人付き合いが希薄になったのは、近過ぎる付き合いをしてきた反動からかもしれない。

これからまた徐々に距離を詰め、「頃合い」を見付けられる時がきっと来る。

だからお互いに、出来る範囲で始めよう。

とりあえず近所の人に、ごあいさつ。

普段からしている人なら、とびきりの笑顔をプラス。

更に一歩前進、「今日はいいお天気ですね」もつけてみる。

当たり前すぎるが、効果抜群。

やった人だけが味わえる、気持ちよさ。

お勧めだ。

|

« おーっ  マイ   ガッ | トップページ | 美味しいコーヒーを飲む方法 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: くっついたり はなれたり:

« おーっ  マイ   ガッ | トップページ | 美味しいコーヒーを飲む方法 »