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雲 の 上 の 人 々 

「キスして。」

「帝王」は、そう異国の末の姫君に懇願した。

共に、自身の限界を極めようと闘う、同志。

君も頑張っているんだから、僕も頑張るよ。

そんな思いが込められていたのか。

突然のことに戸惑いながらも姫君は、彼の頬にそっとキスをした。

ロシアのプルシェンコ選手が、フィギアスケート競技の不透明な採点法に抗議するよう、自国の団体に要請したという。

このままでは、「挑戦」しようとする選手がいなくなる。

そう、スケート界の将来を危惧してのことらしい。

大技を決めるよりも、美しくまとめた方が勝てる。

奇しくも今回のオリンピックでは、男女ともそのような結果に終わったと言っては、言い過ぎか。

数え切れない選手たちの向上心が積み重なって、現在に至っているフィギアスケート。

初めて氷の上で一回転が披露されてから、4回転ジャンプに辿りつくまでの膨大な努力。

それを思ったら、「帝王」の主張に、大きく頷ける。

今回惜しくも、頂点争いに加わることが出来なかったフランスのジュベール選手の、ドキュメンタリー番組を見た。

彼も4回転にこだわっている一人だ。

その正確さから、ひと呼んで「4回転サイボーグ」。

たった0.7秒の間に、空中で4回も回れるのは、インナーマッスルを限界まで鍛え抜いてこその結果だと分析されていた。

かかわった大学教授が、「5回転するとしたら」と提示した条件を聞いて、さすがのジュベール選手ものけぞっていた。

それが成功しなかったリスクよりも、飛ぶことを選ぶ理由は、自分のためでもあるという。

「その瞬間、雲の上にいるような不思議な感覚を味わえる。」

「一度知ったら、また味わいたくなるんだ。」

世界のほんの一握りの人しか得られない感覚。

彼はそこに、自分だけでなく周囲も含めた幸福を見付けているように、うっとりと語っていた。

今回のメダル争いの結果を見ても、彼の気持ちは変わらなかったことだろう。

今も「次」に向けて、4回転を飛んでいるに違いない。

そう思わせる、瞳だった。

「私もあんな風に(アクセルを軽々と)飛びたい。」と、プルシェンコ選手の4回転を見て言った真央ちゃん。

すごいな。

もう気持ちをきりかえてる。

「帝王」のジャンプがいつも以上に軽やかなのは、真央ちゃんの「チュッ」のおかげだよ。

きっと。

知らず知らず皆を幸せにする姫君。

そのきらきら輝く笑顔を、もっともっと見続けていきたい。

日本中、世界中がそう思っているに違いない。

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