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損        得

ブルーベリーを、頂いた。

洗ってバスケットに盛り付け、食卓へ。

美味しくってつい、もしゃもしゃと食べてしまう。

しかも、ブヨブヨに柔らかくなった実を探し、指でゴソゴソとほじくりながら。

見ていた家族に、注意される。

なんか見てて、気持ち悪い。

自分の分をお皿にとって、そこから食べて、と。

家族にいわれるまでもなく、お行儀が良くないことは、自覚している。

が、習性なのか。

どうしても、やらずにはいられないのだ。

これは、ブルーベリーに限らない。

今旬の、イチゴでも。

近所の池上いちご園さんの苺が今、とびきり美味しい。

安いので、その日に食べるならノープロブレムの「傷あり」を、あえて選んで買って来る。

するとまた、そこからゴソゴソが始まる。

痛みがあるものから、食べ始めるからだ。

これは、「家族には、いいものを食べて欲しいから」という、自己犠牲からではない。

「いいもの、好きなものをとっておいて、後で食べる」という、A型の習性からだと思う。

しかし、自分が傷みかけたものを食べている間、家族がどんどんいい方を口にしてても、気にならない。

とにかく、傷んで食べられなくなっては、元も子もない。

というケチからくる、強迫観念も、絡んでいるからだ。

それに、「早い者勝ち!」と、いいとこ取りするのが、後ろめたいというのもある。

改めて考えると、細部ほど気になるし、気付いてしまう。

ので、例えば、「どうぞ」と出されたカットケーキから一つ選ぶのでも、小さかったり、形が崩れていたり、他の人が取らないだろうなというものを、選んでしまう。

物心ついてからずっとなのだが、「損だな」と思ったことは、一度もなかった。

が!

ある推理ドラマを見ていて、愕然とした。

細かな背景は忘れてしまったが、お茶会のシーンだった。

テーブルクロスが敷かれた上品なテーブルに、紅茶が注がれたお揃いのティーカップが幾つか並んでいた。

和やかな雰囲気で始まった、ティーパーティー。

部屋に集まった数人の男女が、思い思いのカップを手にし、談笑しながらお茶を口に運ぶ。

と、ある人物が突然、苦しみだした。

と思ったら、床に倒れ込み、そのまま絶命。

誰かがカップに、毒を盛った!

と、捜査が始まる。

どうやら、居合わせた全員に動機があり、無差別殺人ではない。

しかし・・・と、考え込む。

カップは、それぞれが好きなものを手に取った。

どうやって目的の人物に、毒の入ったカップを取らせたのか。

全員が共犯関係だというのでもないし・・・・。

と、悩む刑事さん。

全てのカップを調べて、あることに気づく。

毒の入っていたカップだけ、少し欠けていたのだ。

どのようなきっかけで謎が解けたのかは忘れたが、犯人は被害者の習性を利用したのだった。

人に気を使う被害者が、必ず欠けたものを先に取ると知っていた上での犯行だったのだ。

皆に恨まれていた割に、そんな面もあったのね。

と、感心していて、ハタと気付く。

他人ごとじゃない・・・・!

と。

私もその場にいたら、絶対そのカップを取ったに違いない。

成程・・・・・・。

人付き合いがうまい方じゃないし、思いがけなく誰かの恨みをかう可能性、ゼロではない。

そういう形で、人生の幕がおりることもあるかもなー。

いいや。

これは性分で、そうしないと気が済まないから、しているのだ。

それで何かあっても、自分がまいた種。

と、開き直る。

以降、傷みかけたものから食べ始めると、欠けたカップを思い出す。

今日も懲りず、ブヨブヨになった実を、指先の感触を頼りに、見付けて食べる。

そうやって鍛えてきたからか、何を食べても、お腹をこわすことは殆どない。

お陰で、今まで幾度も、知らずに危機を乗り切ったかも!

と、ポジティブなのかネガティブなのか分からないことを考える。

今日、春一番が吹いた。

お脳も、春真っ盛りだ。

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