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セ レ モ ニ ー

この頃は、お葬式やお墓のあり方が、多様になってきたようだ。

少子化で兄弟の数がグッと減った今、立派なお墓を建てても、子孫に負担になるのでないかという気がする。

我が家も、ご多分にもれず。

父が亡くなった時に、「喪主」である母の側で、いろいろな「現実」を、見せつけられた。

両親とも兄弟が多く、親戚付き合いも密だったので、お葬式に出席する機会は、これまで幾度かあった。

小さな頃は、なにが起こったのか分からず、お別れの悲しみとは、程遠い心境だった。

大人になってからは、一応しきたりに従ってお悔やみをしてきた。

けれど父のとき、催す側にならないと分からない「問題」に初めて直面し、戸惑った。

反省することも、いっぱい。

が、嬉しいことも、たくさんあった。

反省することは、お葬式について、父本人の希望を聞いていなかったことが大本の原因だ。

「不吉は、言うべからず」

父の遺言、「親父の小言」の一言だ。

自分の寿命は、あと僅か。

そう悟っていたのは確かだが、父も、他の誰も、「その後」について、「小言」に従った訳ではないが、話題にすることを避けていた。

母によると、それでも、自由のきかない体でこっそり、保険関係の書類などは整理していたらしい。

「家にいると滅入る」と、ギリギリまで出勤していた働き者でもあった父。

死後、職場のロッカーの整理に行ったとき、母も知らなかった大きな死亡保障のついた保険証書が出てきて、驚ろかされた。

たぶん、父にとって、お葬式のあれこれなど、どうでもいい小さなことだったのだと、思う。

置いていく母に、出来るだけのものを残そうとする一念で、最後の力を集中させていたのだろう。

が、お陰で葬儀では、父の兄弟と揉めることも。

戒名始め、お葬式の「ランク」等に口を出され、その都度葬儀社に訂正しなければならなかったり、双方に気を使わなければならない事態に。

なので、「自分のときは、こうならないようにしよう」と、心に決めた。

父が亡くなる前は、自分のお墓やお葬式代などは無駄な出費で、「いらない」と思っていた。

が、葬儀中の親戚やご近所のお心遣いやご協力は、父のいなくなった悲しみをしばし忘れさせてくれた。

思いがけず、多人数の方々が参列してくださったのも、父を誇らしく思え、とても嬉しかった。

そうかー。

お葬式ってただの儀式じゃなく、悲しみの緩衝材にもなるんだなー。

と、気づく。

終わった後も、その後の法要のスケジュールをたてたり、お返しの発送手続きをしたりで忙しく、泣いている暇などなかった。

それらが終わって、落ち着くと、「やれやれ」と一息。

胸にぽっかり空いた穴はそのままだが、一つ終えた達成感と、父の死をきっかけに強まった家族の結束や安心感が、傷を癒してくれた。

お葬式がなかったら、ただ母達と肩寄せ合ってメソメソするだけだったろうし、「やってよかったな」と心から思う。

そんなこんなで、「お葬式は、故人のためというより、遺族のためにする。」と、実感。

私の時は「とにかく安くあげるために、親族のみ!」では、気持ちが内に向いてしまうだけで、遺族にとってはキツイだけだろうから、オープンにしようと考えを修正。

そして、もしお別れに来て下さる方がおられたら、気持ちよく参加していただけるよう、無駄を省いた自分らしいセレモニーをプロデュース。

煮詰まったら、良心的な生前契約の会社を探そうと思っている。

お墓は、お位牌と同じく、遺族の気持ちのよりどころになるので、父のこと以降、「いらない」とは言えなくなってしまった。

しかし高いし、後々までお金がかかるから、散骨で。

と思っていたが、かなり前に聞いた話では、環境的な制約で、法にかかる場合もあるそうだ。

確かに、そこかしこに人の骨粉をまかれたら、誰だって嫌だろう。

しかし、「土に還る」が、一番自然で生物の本来のあり方の気がする。

そういうお墓はないかなー。

と思っていたら、「樹木葬」に出会う。

広い敷地の中に、数種の木が植わっている。

好きな木の根元に、お骨をまく。

自分だけの木ではないので、複数の人のお骨と共に、その木の養分になる。

供養にかかる費用も、石のお墓を買うよりも、ずっと少ない。

これだっ!と思った。

花の咲く木なら、開花時期に訪れたら、故人と会っているような気持ちになれそうだ。

他にも、「お骨のマンション」など、死後のあり方は選択の幅が広くなってきている。

狭い日本ゆえ、従来の墓地の形式にこだわっていないで、皆で共有できるところは協力し合った方がいいのではないか。

などと、勝手に考えている。

父からは、死後も尚、たくさんのことを教わっているなと感謝。

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