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子供にもどって

小さな頃、横断歩道の両側に、黄色い旗が置いてあると、大喜びで手に取った。

見せびらかすようにかざしながら、嬉々としましまの上を歩いたっけ。

押しボタンの信号も、大好きだった。

他の人に押されまいと駆けつけ、えいっ!と指に力を入れる。

すると、どの車も止まって、私を渡らせてくれる。

大人の人が、自分の意のままになるような優越感を味わっていた。

しかし、いつからだろうか。

「私のために、申し訳ない。」と、思うようになったのは。

今月のジャフメイトの「事故ファイル」は、「ボタンを押さない歩行者」という題名だった。

昨年の12月に、実際に起こった事故の詳細が、書かれている。

小雨が降る夜の、悲劇だ。

普段から、歩行者の少ない農村地帯の道路。

運転手が、押しボタン式の信号機が、「赤」になったところを見たことがない程だ。

案の定、信号は「青」。

対向車線にマイクロバスが停車しており、横断歩道に人気はない。

そのまま通り過ぎようとした瞬間、右から来た黒い物体。

ブレーキをかけるひまもなかった。

停車中のバスから降りた男性は、バスの後ろから道路を横断しようとして、車と接触。

亡くなってしまった。

押しボタンを、押していれば防げた事故。

記事には、歩行者側の立場からみた、押しボタン式信号機への、代表的とも言える意見が挙げられている。

「ボタンを押してもすぐに変わらないので、もどかしい。」

「自分のために車に止まってもらうのは、申し訳ない。」

普段私は、ほとんど運転手の立場だ。

しかし、そうなる前の頃を思い出すと、2つの意見を、もっともだと感じる。

そうはいっても、命は大事。

ずうずうしくなって、どんどん押してください!と言いたい。

立て続けに押しても、一定時間をあけてから反応する設定になっているため、すぐには変わらない。

また、車の通行を円滑にするため、隣接の信号機と連動された押しボタン式信号機もあり、やはり待たされることも。

お急ぎなのも分かるが、やっぱり命の方が大事!

指一本、青になってから渡って下さい。

あと、これをドライバー側からお願いするのは大変恥ずかしいが、大事なことなので言わせていただく。

青になったから大丈夫とは、限らない。

信号を見落とすことも、ごく稀にですが、あるんです。

左右の安全を、きっちり確かめてから、横断してください。

ご高齢の方、「渡りきれるだろう」と予測なさっても、車のスピードは、思いの外速いものです。

渡るなら、車がどこにいようが、とりあえず押してください。

子供の頃、大人が口をすっぱくして言っていたことは、とても大事なことだったと、改めて気づいた。

右見て、左見て、もう一度右を見て。

人も車も、お互いにルールを守って、それぞれの人生を、しっかり渡っていこうではないですか。

黄色い旗と、緑のおばさんがいた通学路が、ほんわか浮かんできた。

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