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交 換 頭 脳

高校の図書室で、バローズの「火星シリーズ」に出会った。

邦題は「火星のデジャー・ソリス」だったと思う。

カーターという青年が、火星で大活躍する、スペースオペラだ。

面白くって、あっという間に読み、続きを購入してほぼ全部を読んだ。

によって、主人公の代替わりがあったあたりで面白みが減り、後に行くほど印象が薄れる。

シリーズで一番印象的だったのは、「火星の交換頭脳」だ。

そこは、一見普通の人間なのだが、頭と体が別々の生物の世界だった。

頭脳部分は、顔のすぐ下にカニの足のようなものが生えており、高度な知能をもっている。

身体の部分は、反射神経系のみで生きている状態。

はヤドカリのように好きなボディを選び、首の部分から合体する。

すると体だけ星人と神経がつながり、自分の体のように自由に操れるようになるのだ。

カーターが、悪の合体星人を成敗するが、首だけでシャカシャカと逃げ出し、新しい体に納まって逃げてしまう。

大人っぽい挿絵には、ボン・キュッ・ボンのナイスバディが、四つん這いでたくさんうごめき、不気味な頭だけ星人が、どれに入ろうか値踏みしているところが描かれている。

ちょっとゾッとする設定だが、ムチムチと肥えたマイボディを、あんなふうに交換できたらと羨ましくも思った。

しかし、想像してみると、ナイスバディに、私の顔が乗っていても、不自然極まりない。

ナイスなボディには、ナイスなフェイスがふさわしいと気づき、ため息をつく。

しかし、交換できるのならば、こじんまりとしたお脳を、少々大きめのものにグレードアップするのが優先だと言われそうだ。

そんな訳で、大いなる哀しみや悟りとともに、「交換頭脳」が私の記憶に鮮明に残り続けているのだ。

ちに待った富里図書館ができた。

ふと思い出し、検索してみると、蔵書にあるではないか。

文庫本の書棚を探してもないので、カウンターに尋ねると、奥の書庫にあるという。

何年ぶりかに再会した懐かしい本を手に取り、嬉しいというより、寂しかった。

し出し中という訳でなく、1巻は最初からないらしい。

こんなに面白いのに、絶版になってしまったのかと、不憫でならない。

せっかく借りたのに、「1からでないと」というこだわりで、読まずに返してしまった。

じ理由で、手元にわんさかあるのに、手をつけられない本がある。

佐伯泰英氏の「居眠り磐音シリーズ」だ。

友人から、借りたはずの1,2巻がどこにも見当たらない。

3巻からはちゃんと揃っているのに。

とりあえずあるものから読むと謝ると、「それは絶対にだめ」と言われる。

このままでは、年をまたいでしまう。

本屋さんに行こう。

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