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無 欠 快 状

秋頃から、生ゴミの日だけ、ゴミの集積所に通う女の子がいる。

どうやら、一人暮らしのようだ。

彼女が去った後は、複数のごみ袋が破られ、中身が散乱している。

の明けぬ早朝、車のヘッドライトが反射して、早くも作業している彼女の眼が光る。

この時期は、一体どこで寒さを凌いでいるのか心配だ。

と向って話をしたことはないが、確率から女の子だと思う。

まだ体の小さな三毛猫ちゃんだ。

彼女が姿を現すずっと前から、この辺りを我が物顔で歩き回るキジトラがいる。

が我が家の玄関マットをトイレ代わりにするので、撤去せざるを得なくなった。

名はボス。

威風堂々として、人に対しても物おじしない。

が家の庭を当然のように、通路代わりに利用している。

生ゴミを埋めたところが、時々掘り返されている。

ボスのお口に合うものがあったのなら、何よりだ。

にご丁寧に、大きいほうが埋めてあることもある。

返しなどいらぬから、他でやっていただきたい。

そんなボスだが、見かけによらず、5年前から一途な恋をしている。

お相手は、お隣の、美猫ヒマラヤンだ。

毎日窓越しにプロポーズするが、人とガラスが2匹を引き裂く。

めてとぼとぼと我が庭を歩くと、運悪く出くわした私に叱られ、泣きっ面にハチだ。

ボスは、どこで食糧を調達するのか、割とふくよかだ。

が家の庭には、野菜くず位で、ボスを太らせるものなどない。

この2匹の野良猫を、私は密かに尊敬している。

は彼らのように、一人で生き抜く自身がないからだ。

さ、暑さをしのぎ、食料を自分で調達する。

なんと、逞しいことかと、感心する。

り返り、母の猫たちを見る。

不妊手術をしたせいだが、かなり太っている。

よって、毛づくろいしたくても、肉が邪魔して届かないエリアがある。

なんとか届けと願いを込めて体を折るが、限界がある。

コロンとバランスを崩し、笑いを誘う。

一杯伸ばした限界地点に、ハゲが出来るほど頑張って舐めている。

時間があると、掻いてあげる。

も、私も、と寄って来て、モテモテだ。

彼女たちにとって私は、まさしくかゆいところに手が届く、孫の手のような存在なんだろうと思う。

彼女たちは、決して卑しくない。

べ物のかけらを落とすと、ワッと殺到するチワワ達とは、正反対だ。

たちの餌置きには、いつも餌が残ったままだ。

湿気たのが嫌で、残っているものには手をつけず、新しいものを足せと催促する。

自分達が、どれだけ恵まれてるの分かってるの?

ってから、ハッとする。

自分だって、人(猫)のことは言えない。

普段無意識に当たり前と思っていることが、ある日突然がらりと変わったり、なくなったりしないとは限らない。

もかもがなくなって、ボスたちのように自分の力だけで生きなければならないときが来たたらどうするか。

そう考えると、今は天国だ。

ある全てに、感謝したい。

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