うずまきの
明日からは、新しい年だ。
いつも年末は慌ただしく、一年を振り返る余裕がない。
大掃除をしながらなので、来年の抱負も、「ロールスクリーンを新しくできたらいいなぁ」など物欲的だ。
古歯ブラシに、雑巾を被せて拭くと、サッシなどの狭いところのふき取りが抜群に楽だと発見し、「来年は、もっときれいにするぞ」など、自分なりの目標も、ついでに見つける。
つらい大掃除を頑張れるのも、後に楽しみが待っているからだ。
毎年大晦日の夜は、母がすき焼きパーティーを催す。
日々ほとんどが魚、たまに鶏肉、数か月に1・2度豚肉が我が家の食卓だ。
よって、外食で頼まない限り、家庭料理で牛肉を食べることがない家族にとっては、この上ない楽しみなのだ。
早朝市場に出掛け、キロ単位で霜降りを購入する母。
何度か同行したが、複数の諭吉さんが惜しげもなく払われ、その度に目玉が飛び出す。
自分がもともと牛肉が好きでなく、「高い」と言い訳もできる故の、牛さん離れ。
しかし、すき焼きだけは特別で、お腹いっぱい詰め込む。
残しては、奮発してくれた母に、申し訳ないではないか。
卵もお代りして、皆でどんどん平らげる。
食べつくして、「良いお年を~」と帰宅すると、年越しそばに手を伸ばすこともできずに横になる。
目を覚ますと、もう年が改まっている。
むむ。
やっぱり1年の反省も、新年への抱負も考えられなかった。
ようし、今年こそは、と気持ちを新たにするのが、毎年のお決まりだ。
今、冷蔵庫には、なのはな生協さんから来た、伊達巻きが、何本も積み重なっている。
今年こそは、人並に目標をと考えつつも、大掃除に疲れると、用もないのに扉を開け、「むふふ・・・」と笑みを浮かべる。
関西風も加わった今年は、さらに楽しみだ。
ハッ!
そうか・・・・。
食い気だ。食欲が、全ての思考を奪うのだ。と遅まきながら気づく。
高い志も、高尚な目標も、食欲の前には、伊達巻きを包むまきすの如く、顧みられることはない。
早くも、来たる年の抱負が一つ浮かぶ。
来年も(明日も)伊達巻き、いっぱい食べるぞー!
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