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美 の 基 準

あれはいつだったか、父の運転する車の助手席に乗っているとき、「どうして、私を美人に産んでくれなかったの?」と訪ねた。

んだのは母なのだが、美のDNAが足りなかったのは、父の責任でもあろう。

を不憫に思ったのか父は、しばし無言だった。

美人だと、大変なんだぞ。事件に巻き込まれちゃったりとか・・・。」

を傷つけぬようにと、父の努力の跡がしのばれる答えだ。

信号で止まる。

納得がいかぬ私は、父を見上げ、さらなる言葉を待つ。

その目を覗きこんだ父は、半ば独り言のように、感慨深げにつぶやいた。

おまえは、きれいな目をしてるねぇ・・・。」

いもかけぬ言葉に、照れて目をそらす。

わが父ながら、うまいかわし方だと後から思った。

それから自分に自信が持てたという訳ではないが、きっといつまでも鮮明に思い出せる、大切な思い出になった。

お陰でひねくれることなく成長した私は、今、環境の美化に精を出している。

合成洗剤を止め、せっけん生活に目覚めて久しいが、ある時、裏切られた思いを味わう。

ブームになっている、重曹とクエン酸(又はお酢)を使うお掃除方法を知った時だ。

洗剤どころか、せっけんもいらなかったんじゃん!と。

れの性質を知ってしまえば、大体の汚れは、重曹とクエン酸できれいにできる。

沢山ご本が出ているので、ご存じの方も多かろうが、簡単に書かせて頂く。

れのPHは、酸性と、アルカリ性に大別できる。

酸性の汚れを落とすには、アルカリ性の重曹を使う。

反対に、アルカリ性の汚れには、酸性のクエン酸が威力を発揮する。

が一番驚いたのは、トイレの黄ばみと、蛇口の水あか、それに換気扇周りだ。

トイレの黄ばみは、尿のアルカリ性汚れなので、クエン酸を水に溶かしたものをスプレーする。

づいたときに続けていたら、あれほど見苦しかったトイレが、新品のようにピカピカだ。

蛇口の白い角質化したものは、カルキなどのアルカリ性汚れなので、同じくクエン酸スプレーで、どんどんはがれる。

換気扇周りの油汚れは、酸性。よって、重曹のアルカリで落とす。

コンロ周りのタイルなど、重曹水をスプレーすると、ついていた油汚れが、すぐに茶色い液体になって滴り落ちるほどだ。

これは、年末の憂鬱、換気扇フィルターに、すごい威力を発揮する。

帰宅した家族が、「新品にしたの?」と聞いたほどだ。

といえば、シャツの袖、首周り。

これも、重曹水のスプレーをして、いつも通り洗濯すると、汚れ落ちが格段に良くなる。

せっけんが、アルカリ性なのは、理にかなっているのだ。

は、洗濯用せっけんと、ボディーソープのみ使用し、あとは重曹とクエン酸でシンプルにお掃除している。

ところで、このブームに、洗剤メーカーは困っているだろうなと思う。

かなり浸透してきたドラム式の洗濯機は、水も洗剤も従来のものよりも、1/2~1/3で済むエコ家電だ。

ドラム式洗濯機の国内での開発や発売が遅れたのは、洗剤業界の圧力があったからだと聞いたことがある。

しかし、時代の流れには逆らえず、省エネなだけでなく、洗濯から乾燥までこなすドラム式は人気だ。

えて、環境とお財布に優しい重曹と、クエン酸のブーム。

(トイレ用、お風呂用、台所用などの場所別洗剤は、容器や色、香りを変えただけで、中身はほとんど同じものだとばれてしまったし。)

このダブルパンチに、洗剤業界は必死だ。

最も盛んにCMが流れている、「抗菌」「消臭」。

この2本の柱が、業界の頼みの綱のように見える。

しかし、メーカーの宣伝に乗って、上記をやればやるほど、化学物質に触れることになるので、注意した方がいい。

抗菌などわざわざしなくても、人体を守る自然のシステムのなかで、私たちはちゃんと守られている。

そして、匂いとは、そんなに神経質に隠す必要があるかも考えてみる。

いが呼び起こす記憶や、自分の家の、他人の家の匂いで、妙に安心したことはないか。

それに実際は、あのちっこいスプレーを何十本振りかけたとて、消せるものではない。

もし不快な臭いがあるとしたら、それは危険や、しなくてはならないことを教えてくれているかもしれない。

例えば、カビ臭がしたとすると、カビているところをきれいにし、風通しに気をつけるなどしないと、有害なカビの胞子を吸い込み続けることになる。

ぜひ気軽に試してみて欲しいのは、アロマオイルを使用した自然の抗菌消臭だ。

ただし、安いものは、混ざりものがあったりするので、きちんとしたものを使って欲しい。

として、先にご紹介したクエン酸スプレーに、ミントのアロマオイルを数滴たらして使うと、おトイレが、さわやかな香りに包まれる。

強力な抗菌作用もあるので、一石二鳥だ。

天然のものゆえ、香りは長持ちしないが、実はそれが自然なことなのだ。

目覚めの香り、リフレッシュの香り、誘眠の香りなど、その都度変わる状況と気分に合わせたアロマオイルを使うのはとても楽しいし、豊だ。

しくは、関連図書が多数出ているので、図書館などで手にとり、正しい方法で始めて欲しい。

繰り返し流れるコマーシャルは、私たちのためを思って作られたのではないということを、常に忘れてはいけないのだ。

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