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宝 物 庫

松居一代さんのご本を読んで触発され、家の整理を少しづつ進めている。

計画を立てて実行する程の熱心さは次第に薄れ、いつものように行き当たりばったりのお片付けだが。

になったところを、気になった時にほじる。

出るわ出るわで、自分の「とりあえず、しまっとこ」に呆れるばかりだ。

バザーの季節ゆえ、あちこちからご協力の依頼をもらっている。

きれいなものが出てきたら、提供しようとまとめておく。

一番力を入れていたのは、食器類の整理だ。

松居さんによれば、欠けた食器類は風水上最悪だという。

単純なのか素直なのか、信頼している人の言葉にすぐ影響される。

ふと見渡すと、毎日幾度となく手に取る食器のあちこちが欠けている。

吊り戸棚をほじると、気に入っていたけど欠けてしまったカップなどが、未練とともに、わんさか出てきた。

ほー。自分がいま一つ輝けないのは、これのせいかと、こじつける。

使っているコーヒーカップは、佐賀に旅行した折、有田焼のお店で一目ぼれした「香蘭社」のものだ。

特別なコーナーに恭しく置かれていたのに、1500円というお値打ち価格だ。

店内の商品の中でも、すっきりとした品の良さが目立つ。

これも、有田焼ですか?」という私のアホな質問に店員さんも呆れつつ「はい・・・。香蘭社ですから。」と言い含めるように答える。

その時初めて「香蘭社」を知ったが、伝統と技が息づく、皇室御用達の有名な会社だという。

有田焼らしく、白地に濃紺と赤の椿の模様が美しい。

いいものを見つけられて良かったと、連れ帰った。

それから数年。丁寧さに欠ける扱いを受けつつも、けなげに美しさを保ち続けるカップの丈夫さに感謝していた。

茶渋を取るために、石鹸クレンザーでごしごししても、縁に施された金もきれいなままだ。

その他に、軽さ、模様のシンプルな美しさと、飽きの来ない条件を兼ね備えた、私にとっての逸品だ。

も香蘭社と思っていたら、先日とうとう縁が僅かに欠けていることに気づいてしまった。

丁度同じ時期、大手ショッピングサイトに、香蘭社の新店舗がオープンしていた。

おぉ!これは啓示に違いない」と、一人盛り上がり、毎日訪れる。

しかし、欲しいものと、懐具合の釣り合いがとれぬ。むぅ。

たとえ無理して買っても、食器棚は満杯状態だ。

しにここもほじってみた。

から出てくるのは、あることすら忘れていた、懐かしいものばかり。

ケーキ屋さんから買ったムースが入っていた容器数種、家族の人数分揃わなくなった小鉢、サイフォンにする前に使っていた、欠けたカリタ。

全部取り出して、日々使うものだけに絞ると、随分スペースが空く。

ここに、香蘭社のお皿を置こう!とほくそ笑む。

家族のカップも、軒並み欠けている。

私と同じく無頓着故、不満の声は今のところない。

この際、私の独断で、全員分香蘭社に統一してしまおうと計画している。

不要なものが、欲しいものに結びつく。

これも、一種のお宝発掘かもしれぬ。

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