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落としたり 拾ったり

そそっかしいので、しょっちゅう物がなくなる。家の中でならいいのだが、外で失くすと、悲劇である。人生の中で、最もはずかしい落し物は、免許証である。

鮫洲の免許センターで、念願の免許証をゲットして帰るときに、早速やってしまった。駅で切符を買うとき、財布に入れていた、ほやほやの取りたて免許を、落としてしまったのだ。すぐに気づき、駅の落し物コーナーに行くが、届いていない。近辺や、歩いた道を引き返しても、ない。諦めて、家に戻ろうとしたときに、警察から家に電話が。連絡を受けて、留守番していた父が、代わりに取りに行ってくれた。

「取ってすぐに落とすなんて、親の顔が見たい」と、警察の方は思っていたのだろう。父が着くと同時に、「そっくりですね!」と言われ、顔から火が出たと、帰って叱られた。

小さな頃、5百円を拾った。交番に届けると、お巡りさんが、「パトロールのついでに、家まで送ってあげる。」と、パトカーに乗せてくれた。初めて乗ったパトカーは、シートが固く、なんとなく、悪いことをした気持ちにさせられた。親も、最初は驚いたが、いいことをしたとほめてくれた。

それから、十数年後、ネズミ取りで捕まり、切符を切る間、またそこに座ることになるとは夢にも思わなかった。 

東北自動車道を通ると、高い確率で拾う。スキーに行くため通り、現地で寝込む。一晩で回復するが、ご丁寧に帰りも拾って、家に着く早々寝込む。ひどい寒気が、前触れもなくきて、起きていられないのだ。

山形に行く時も、拾ったことがある。愛犬のコリーが、大変暑がりなので、クーラーをガンガンかけた車内で、一人震えていた。父に訴えても、犬が優先で、「わたしって」と、へこんだ。

ポーランドに拠点を置く、人気の人形劇を見る機会があって、家族と出かけた。世界中から公演依頼がある方だけに、技術も、トークも、主役の人形達も素晴らしく、意表を突かれっぱなしで、来てよかったと、ほくほくしていたが、帰りがけから始まり、家に着く間も、頭部全体が、激しく脈打って、起きていられないほどになった。もう一人の家族も同じくで、「大きいの拾っちゃったね」と、顔をゆがめつつ、枕を並べていた。

人生の一番の拾いものって、なんだろう。と、考えている途中である。

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